賃貸生活研究所
賃貸 > 敷金問題事例について
第5研究室敷金清算のトラブルや相談など

敷金に対する事例は数多くあるのじゃ。ここではよくある事例の検討をガイドライン(敷金について)に基づき理解すると共に実際の賃貸人・賃借人の主張、それに対する対策などを記載しているのじゃ!
賃借人・賃貸人の両方の立場で考えてみると良いかもしれんぞ!


Step1・・・敷金について Step2・・・経過年数の考え方Step3・・・よくある事例の検討
まずは、見たい部分をクリックじゃ!
■畳 ■クロス ■床 ■その他
 賃貸人(大家)
 賃借人(入居者)
 グレードアップ費用
敷金問題1
 畳  敷金の現状(必ずお読みください)
[例1]特に破損・損傷などがない場合
どちらの負担? 入居者の入れ替わりによる、物件維持のためなので賃貸人の負担となる。
[例2]日照りによる畳の変色
どちらの負担? 通常の生活では避けられない経年変化なので賃借人の負担はなし。
[例3]家具の設置による畳のへこみ
どちらの負担? 家具は必然的におくものと判断されるため賃借人の負担はなし。
[例4]雨漏りなど建物の欠陥によって発生した畳のふやけやカビの発生
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
この場合は? 賃借人が被害状況を報告することなく被害が拡大したとみなされる場合には賃借人にも負担があるものとする。
[例5]賃借人の不注意で雨が吹き込んだことにより発生した畳のふやけやカビの発生
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
[例6]飲食物をこぼしたことによるシミやカビの発生
どちらの負担? 飲食物をこぼすことは通常の生活の範囲となるが、あとの手入れを怠ったことによってできたシミ・カビなどは賃借人の責任。
[例7]タバコによる畳の焦げ
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
[例8]引越作業などで生じた引っかき傷など
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
畳の交換は1枚単位で行われる。色合わせの場合には部屋全体の取替えも考えられるが、その場合、賃借人の負担となるものは毀損した部分に該当する畳の枚数。経過年数の考慮としては6年で、残存価値10%となるような曲線を想定し負担割合を算定するのが妥当であると言われています。⇒ 経過年数の考え方
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 クロス   敷金の現状(必ずお読みください)
[例1]壁の画鋲・ピン・くぎなどのあと
どちらの負担? カレンダーやポスターなどの掲示は通常生活の範囲とされるので賃借人に負担はなし。
この場合は? ただし、重量物〈時計・額縁)などの掲示による釘などは通常を越えるものとし、賃借人の負担となることが多い。
「釘の跡一つでもクロス一面の張替え費用が取られたら堪りません! 」
実際には→意外と釘くらいなら・・・という賃貸人が多いのが現状です。ただし最低限に抑えるよう注意!
[例2]日照りによる畳の変色
どちらの負担? 通常の生活では避けられない経年変化なので賃借人の負担はなし。
この場合は? ただし、重量物〈時計・額縁)などの掲示による釘などは通常を越えるものとし、賃借人の負担となることが多い
[例3]エアコンを設置する際のビス穴やクーラースリーブ
どちらの負担? エアコンもテレビなどと同様、通常の生活をしていく上で必要とされるものなのでその設置によるビス穴などは賃借人の負担にはならない。
この場合は? ただし、この場合賃貸人の許可無く勝手に取り付けた場合は賃借人の負担となる場合がある。
[例4]台所の油汚れ
どちらの負担? 使用後の手入れが悪く油やススが癒着している場合には通常の損耗を超えるものとされるため賃借人の負担となる。
[例5]結露を放置したことにより拡大したカビ・シミ
どちらの負担? 建物の構造上の問題で賃貸人に通知し、日常の清掃をしていたにも関わらず生じた場合は賃借人の負担はなし。
この場合は? 賃貸人に通知もせず、日常の手入れなどを怠った場合は賃借人の負担となる。
[例6]クーラーからの水漏れによる壁が腐食
どちらの負担? 建物の構造上の問題で賃貸人に通知し、日常の清掃をしていたにも関わらず生じた場合は賃借人の負担はなし。
この場合は? 賃貸人に通知もせず、日常の手入れなどを怠った場合は賃借人の負担となる。
[例7]天井についた黒ずみ
どちらの負担? 天井に黒ずみの跡がついてしまった場合、通常の使用による汚れであるため賃貸人の負担になる。
[例8]タバコのやにによる汚れ
どちらの負担? 喫煙自体は善管注意義務違反には当たらずクリーニングで除去できる程度のヤニについては賃借人の責任にはならないが、クロス張替えにまでなる汚れの場合は賃借人の負担となる。
「クリーニング代だって、吸っている人が責任持つべきじゃないの?」
実際には→賃貸人・賃借人で話し合い割合を決めるケースも少なくない。
対策⇒最低限に抑えるために・・・入居する前に、電化製品の後部に置く”化粧版”などを用意し賃借人に渡しておくといいかもしれない。
ヤニで汚れた部屋の分を全部払わないといけないの?
対策⇒タバコはベランダで、換気扇の下でと決めて吸うように。あるいは1部屋に絞ること!(そんな吸い方じゃうまくない!っていう人は、はじめから”しょうがない”と諦めてしまえば気分が楽になるかも!!)
賃借人のクロスの負担は平米単位ですることが望ましいのですが、実際には毀損部分を含む1面分まで賃借人の負担となることもあるだろう。経過年数の考慮としては6年で、残存価値10%となるような曲線を想定し負担割合を算定するのが妥当であると言われています。⇒経過年数の考え方  
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 床  敷金の現状(必ずお読みください)
[例1]フローリングのワックスがけ
どちらの負担? ワックスがけは物件の維持管理の意味合いが強いことから賃貸人の負担となることが多い。
[例2]フローリングの色落ち
どちらの負担? 日照りなどによるものは通常の生活で避けられないものとし賃借人には負担がない。また雨漏りなどによる色落ちも建物の欠陥によるものなので賃借人に負担はなし。
この場合は? ただし賃借人が賃貸人に通知せず被害を拡大した場合には賃借人にも負担があるものとする。
[例3]家具の設置によるフローリング・カーペット・クッションフロアーのへこみ
どちらの負担? 家具は必然的におくものと判断されるため賃借人の負担はなし。
[例4]キャスター付きの椅子などによるフローリングのへこみ
どちらの負担? キャスターによるフローリングのへこみや傷は予測されるものであり賃借人の善管注意義務に反するとし賃借人の負担となる。
[例5]タバコによる焦げ
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし賃借人の負担となる。
[例6]飲食物をこぼしたことによるカーペットのシミやカビの発生
どちらの負担? 飲食物をこぼすことは通常の生活の範囲となるが、あとの手入れを怠ったことによってできたシミ・カビなどは賃借人の負担となる。
[例7]タバコによる畳の焦げ
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
[例8]引越作業などで生じた引っかき傷など
どちらの負担? 賃借人の善管注意義務に反するとし、賃借人の負担となる。
フローリングの取替えの実態を見ると、最低1平米単位で行われている。賃借人が費用を負担する場合の負担単位も最低1平米単位として毀損等が複数に渡る場合、各毀損個所にて1平米単位で負担するが、場合によっては部屋全体になる事もあるかもしれない。


なお部分補修に関しての経過年数の考慮は賃貸人には、つらい。なぜなら、フローリングの補修を部分的に行ったからといって、何年か後にその部分を除いて他を補修するというようなことはしないため、部分補修については、経過年数を考える必要はない。カーペット・クッションフロアーに関しては、経過年数の考慮としては6年で、残存価値10%となるような曲線を想定し負担割合を算定するのが妥当であると言われています。 ⇒ 経過年数の考え方
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 その他   敷金の現状(必ずお読みください)
[例1]網戸の張替え(破損等なし)
どちらの負担? 入居者の入れ替わりによる物件維持のためなので賃貸人の負担となる。
[例2]地震でガラスが破損した
どちらの負担? 地震など自然災害による損傷は賃借人の負担はなし。
[例3]賃借人のペットによる傷や汚れ
どちらの負担? ペット飼育が禁止されているところならもちろん、禁止されていない場合でも、ペットによる問題はすべて賃借人の負担となる。この場合、契約時に通常より敷金を多く預かっているケースが多い。
[例4]ハウスクリーニング代
どちらの負担? 賃借人が通常の清掃を実施する場合には次の入居者の確保のためとし賃貸人の負担となる。
[例5]浴槽・風呂がまの交換(破損等なし)
どちらの負担? 入居者の入れ替わりによる物件維持のためなので賃貸人の負担となる。
[例6]鍵の取り替え(破損・紛失なし)
どちらの負担? 入居者の入れ替わりによる物件維持のためなので賃貸人の負担となる。
「昔は鍵なんか、取り替えなかったわよ!」
実際には→賃借人の希望があれば交換するという大家さん・管理会社が少なくない。そのため、まだまだ賃借人の負担になる場合が多い。
[例7]設備機器の故障による修理・取替え
どちらの負担? 経年劣化による自然損耗であり賃借人に負担はない。
この場合は? ただし、賃借人の用法違反、手入れ不足などによるものとされる場合には賃借人の負担となる。
設備機器に関しては、経過年数の考慮としては8年で、残存価値10%となるような曲線を想定し負担割合を算定するのが妥当である。鍵には経過年数は考慮されないと言われています。⇒経過年数の考え方
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