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免許提示の契約成立への係わり

カテゴリ:

/入居審査

裏惨 さん () コメント:23件 作成日:2005年04月22日

宅建業法に定められた、「免許証を提示し重要事項説明を行う」ことをしなければ、業法に反する。
業法に反した形式で行われた仲介行為では、その説明の対象たる物件の賃貸借契約は無効であるか?

免許証の提示を義務づけた同法は、業者の行為に対しての規程であることから、その説明を受けた者(主に賃借人)と賃貸人との間の契約の成否に無関係であるのか?

提示がなくとも契約が成立するのであれば、何のために提示を義務付けたのか?その立法趣旨は単に国家資格を付与された者に対する拘束による、その高度な専門性を保とうとするためにのみあるのか?

提示がなければ契約の成立と言えないのであれば、提示のないまま現実に賃貸借関係をそのままスタートさせた場合、何を以ってして契約の成立を言うのか?
でなければ解約・退去、原状回復・敷金精算の間際になって「契約時に免許の提示がなかったから無効」と主張できる。
さらにそれは一体何を“無効”とするのかすらわからなくなる。

「免許証の提示の有無」を賃借人の立場から問うのは、契約の成立を見極め、確定させるための指標とするためなのか?
それとも規程に縛られている業者への嫌がらせ、交渉カードのひとつに過ぎないのか?

ご指導及び私見のご教示を戴きたい。

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この投稿への書き込み・コメント(23件)
No.1 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月23日

裏惨さん、新スレありがとうございます。
(読者の方へご案内。親スレは[11523]のツリーです)
とりあえず私の私見は[11586]のとおりです。

群馬県民さん。
【11579】【11597】ともにご丁寧な回答をありがとうございます。
過去の議論よりあなたの主張・スタンス・根拠ともによく理解できました。感謝します。

外資社員さん。
商法の立場よりのコメントありがとうございました。
私は商法はさっぱりですので、引き続きコメントいただけたら幸いです。
目的物の確定に関してはほとんどの場合、内見及び物件の所在の記述でクリアできますのでこれについては問題ないでしょう。
重説=商品詳細ととらえるのも確かに納得できる部分がありますね。


さて「35条違反は業者の債務不履行にあたる」 という点については私も同感です。
果たしてそれを根拠に「契約無効」はいえるのか、については私は否定的です。根拠は[11586]のとおり。
契約の目的を果たしえないときに初めて無効が主張できるのであって、そうでない場合は損害賠償請求が妥当でありましょう(注・これは売買における瑕疵担保責任の考え方を準用。賃貸借についてホントに同様の解釈可能かの根拠は未確認)媒介契約上の債務不履行を理由に、賃貸借契約の契約解除ができるとは思えません。
媒介契約の「解除」は債務不履行の程度によって可能でしょうが、媒介契約はおっしゃるとおり準委任契約とされています。即ち委任範囲は事務のみであり、法律行為(ここでは賃貸借契約)の委任は受けていません。ですから借主と業者との媒介契約が解除されても、貸主との賃貸借契約の効力には直接の影響はないと考えます。

また仮に群馬県民さんの主張が可能であるとしても、

群馬県民>媒介契約上の債務不履行を根拠に契約の不履行取消し(民法541条)を主張できる

とのことですが、根拠とされている民法541条には「相当の期間を定めて催告しもしその期間内に履行なきときは契約の解除をなすことを得」となっております。
すなわち催告が必要条件となっています。催告しないまま解除はできません。しかもこの条項は「契約は無効とする」ではなく「契約の解除ができる」なのです。「解除できる」ためには契約が成立していなくてはなりませんね。
さらに「付随的義務の不履行については、これを理由とした解除はできない」と最高裁の判例がありますね。「免許の提示」はまさに付随的義務ではありませんか? まぁここ(付随的義務の範囲)は意見の分かれる部分と思います。

裏惨>提示のないまま現実に賃貸借関係をそのままスタートさせた場合、何を以ってして契約の成立を言うのか?

契約の履行でいいのではないかと。すなわち借主は決済金の支払い、貸主は物件引渡し(実務上は鍵)で。

民法第90条「公序良俗違反」、第708条「不法原因給付」の点からも議論可能な気もしますが、眠くなってきたので今日はこの辺で。

No.2 by 大阪のある不動産屋 さん 2005年04月23日

私も重要事項説明をしなかったことによって、契約の取消しを主張
する意見に対しては否定的です。

>媒介契約上の債務不履行を根拠に契約の不履行取消し(民法541条)を主張できる
というのが可能であれば、当然、貸主からもそれを理由に取消し可能になってし
まうのではないでしょうか?それに対して賛成派はどのようにお考えでしょうか?
意見をお伺いしたいです。

契約は「意思表示の合致によって成立する行為」です。
そして重要事項説明は、契約の意思決定に関わる重要な事項を、不動産の知識の
無いとされる借り手に対して説明して、意思決定させるという意義を持ちます。
ですので、重要事項説明は「契約」の前にしなさいということになります。
となると、重要事項説明がなければ、意思決定するのに必要な重要な事項の説明
がないので、最終の意思決定が出来ていないともいえます。
従って、意思の合致がまだなされていないので、契約自体成立していないという
論法はありえると思いますが・・・

No.3 by 外資社員 さん 2005年04月23日

通りすがりの家主さま、大阪の不動産屋さま

コメントありがとうございます。
あくまで、商法の契約成立条件からの見解ですが、
内見もして、不明点について質疑応答をして、物件に関する必要な
情報(地番、図面や付帯設備等の賃貸範囲の詳細)が提供されていれば、
目的物確定はできます。 契約期間、条件、費用等についても同様に
情報提供がされていれば契約としては有効と思います。

但し、私が不動産取引で感じるのは、間取り図や物件資料も
現状優先という記述があり、実態と異なる場合がしばしばある点。
会社で契約した物件でも正確な図面が貰えた場合は殆どありませで、
殆どの場合は広告資料に添付された図面(多くは不動産屋が作った
不正確なもの)であることが多いです。
 他の商取引(物品の売買や役務提供)では、図面や仕様書が間違って
いたら現品の値引きや修正が一般です。
そのようなこと(正確な図面や仕様書がない)を補完する意味で、
”重要事項説明”があるのかと、個人的には解釈しておりました。
(もちろん不動産の商慣例に疎いので素人考えですが。)
ですから、私の会社の法人契約物件では、事前に契約書の確認を行い、
不動産屋さんには借主に対する重要事項説明をしてもらって正式契約を
結んでいます。
 その他、一般の商取引と異なるのが納期(入居時期)の考え方です。
殆どの不動産屋が現空の物件ですと、契約日=入居日が当たり前と考える
点です。(たまたまだったのかもしれませんが。) 
通常の取引では契約日=納入日という場合は殆どありません。
この為、不動産屋さんには、必ず入居日については別になる点を伝え、
住人の予定が立っていない場合には別契約として日割り計算の条件を
明示させてもらっています。

No.4 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月23日

外資社員>  その他、一般の商取引と異なるのが納期(入居時期)の考え方です。
外資社員> 殆どの不動産屋が現空の物件ですと、契約日=入居日が当たり前と考える
外資社員> 点です。(たまたまだったのかもしれませんが。) 

「契約日」=「契約の始期」という意味であれば入居しようとしなかろうとその日に鍵を渡し(納品)ますよ。
契約書に署名押印する日、という意味ではおそらく不動産屋は使ってないと思うのですが……。
署名日と契約の始期が異なるのは、私のまわりではごく普通ですけれど。

部屋の占有権が移れば「納品」されたことになるので、入居と納品は直接には関係ないと思います。


以下、ツリーのお題と少々離れます。

借主の方の空家賃の話がときどき掲示板にもありますが、貸主にも似た状態はあるんですよね……。
部屋止めしてるけど、契約の始期が到来してない間は賃料はもらえないですから。
即引渡しの物件は、出来る限り契約と同時に鍵渡しします。たまに入居の都合で少し先からの賃料発生にしてくれという人がいます。10日ぐらいならサービスしますが、1ヶ月だと断ることも多いです。順番受付ぐらいで、部屋止めは許してって感じですね。
当然、契約の始期が来るまでは鍵は渡しません。……が、入居は先だが(賃料発生も先で)荷物だけ先に入れさせてくれ、という方もいらっしゃいます。いや、荷物入れたら入居だってば。
ま、それでも2週間とめたあげくにキャンセルする人もいますから、それにくらべれば……。

No.5 by ぼり さん 2005年04月24日

初めまして
いつもわかりやすい内容で拝見させて頂いています。

私は、基本的に建築屋の営業でマンションの建設を進める事を本業としています。
その関係で宅建の資格を取得し、私が手掛けた物件に関して賃貸管理もしています。
また、私は現在賃貸物件に住んでもいます。

通りすがりの大家様の書き込みに
>貸主にも似た状態はあるんですよね・・・
私も大家さんに建設を勧めますので非常に良くわかります。
また、この掲示板により悪徳な管理会社や大家がいる事も理解出来ます。

今回の「主任者証の提示」と「契約の無効」に関して
貸し側が『虚偽の説明』等をした時に対抗要件として『主任者証を〜』を使うのであれば
納得出来ますが、
借り側が『自己の都合』で対抗要件として使われた時には
何となく腑に落ちません。

普通に考え
しっかりとした重説はしたが主任者証を見せない事と
主任者証を提示していない事を理由に自己の都合で契約をキャンセルすること
どちらが悪いのですかね・・・・・。
 最近『みそもくそも一緒にする』人が多くなっていますから・・・。(貸主・借り主共に)
まぁ、法律的に『主任者証を見せろ』と言っているのですから
見せなきゃいけないのですが・・・・。

論点はかなりずれていると思いますので
また「論点をすりかえている」など言われそうですが・・・・。

私自身、両方に身を置いている事もあり
お互いが相手の立場に少しでも立てればナァと思って掲示板を
見ているものですから・・・・・。

長々と書いたわりに内容が無く申し訳ありません。

No.6 by 大阪のある不動産屋 さん 2005年04月24日

自分自身で調べたわけではないですが、先輩諸氏からは、
契約日、契約開始日と入居日の区別を聞いています。

契約日は署名捺印した日ではなく、決済金を貸主に支払った日と
聞いています。要するに契約の締結に向けてもっとも重要な借主
の債務を履行した日ということです。

契約開始日は文字通りですが、家賃発生日のことです。言い換え
れば、居住権・専有権が発生する日ともいえます。

入居日は借主が実際に引越しする日です。

少し横道に逸れた話でした。

No.7 by 外資社員 さん 2005年04月25日

通りすがりの家主さま

私の不明瞭なコメントを修正頂きまして有難うございます。

そうですね、不動産の契約開始日というのは入居日と同じでした。
ですから、私のコメントは”支払日=契約開始日”という考えの
不動産屋さんが多いので困惑したとあるべきでした。
契約を行った日が契約開始日と勘違いする不動産屋さんは、
もちろんおりません。 修正有難うございます。

一般的に、法人の行う契約では、決済は手形か、月末支払い日等に
まとめて行いますので、入居日と同じになる場合はありません。
困るのが居住者は、それから引越しの手配をするので、すぐに契約
開始日が決まりません。
その為、契約開始日は 後日決定で居住者から連絡ということに
なることが殆どですが、不動産屋さんとしては、入金は早くして欲しいので、
契約日後の会社の決済日に支払いすることも多いです。
 勘違いが発生するのが、支払いを入居決定前にした場合です。
入金が行われると不動産屋さんは、入居日が決定したと思い、
居住者に電話、居住者は引越し日が確定していないので、
”何時ごろになりそうです”という感触でいったつもりでも、
不動産屋さんが、それを入居日(契約日)として引渡し等を
こちらが知らない間に開始してしまう場合がありました。
不動産屋さんも、借主や居住者に良かれと思ってやっているのですが、
住人は自分のあいまいな答えで契約が開始されたとは知らず、
鍵を渡されたのは事前に現地確認用と思って報告なしで
私にも情報は入らず、あとでもめるということがありました。

長くなりましたのと、本旨と外れてきたので、
とりあえずここまでとします。



 

No.8 by 外資 さん 2005年04月25日

大阪の不動産屋さま

いつも丁寧なコメント有難うございます。

契約日、契約開始日、入居日の違いについての
ご説明有難うございます。
この手の不動産関連用語の区別は、私のような素人には
とても参考になります。
有難うございます。

No.9 by 外資社員 さん 2005年04月25日

通りすがりの家主さま

ご経験からの貴重なお話有難うございます。

私の担当する法人契約でも、一般に入居者は契約が決まってから
引越し手配をするのが殆どです。
ひっこしの準備はしていますが、引越しの手配は審査などがあると
尚更 臆病になってしまいます。 審査のない物件で、すらすらと
契約が進めば、入居者もスラスラと準備をしてくれる場合が多いようです。

ということで、審査がある物件では、どうしても契約日(実際は入居日)を
先に伸ばして欲しいと御願いする場合が多くなります。
ところが審査がある物件というのは大家さんが結構強気(傾向です)の
場合が多いので、そこからの交渉が結構大変です。
何とか不動産屋さんをこちらの見方につけるのが重要と仲良くはして
いるつもりですが、新築物件で一手に引き受けていると、どうしても
大家さんの力が強くなります。不動産屋さんはあいだに挟まり結構
かわいそうです。
 現空の物件の場合、契約日は2週間以内には入居する見込みで居住者にも
頑張ってもらって、大家さんの都合がある場合で居住日まで
空き家賃が発生する場合は会社として払うようにしていますが、
契約を実施した日と入居日の中間くらいで如何という交渉にしています。
空きを10日くらいまで見てくれるなら、とっても良い大家さん、不動産屋さんだと
思います。
2週間待たせたあげくに、入らないのは ちょっとひどいですね。

No.10 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月25日

大阪のある不動産屋> となると、重要事項説明がなければ、意思決定するのに必要な重要な事項の説明
大阪のある不動産屋> がないので、最終の意思決定が出来ていないともいえます。
大阪のある不動産屋> 従って、意思の合致がまだなされていないので、契約自体成立していないという
大阪のある不動産屋> 論法はありえると思いますが・・・

そういう論法なら私も納得できます。
「免許提示」が無いだけでは、こうもって行くのもチト苦しいと思いますが……。

No.11 by 外資社員 さん 2005年04月26日

通りすがりの家主さまの尻馬に乗るわけではありませんが、
私も”免許の提示が無い”だけで契約無効を言うのは難しいと
思います。 
契約の成立条件は、不動産契約であろうと基本的には商法の考えと
変わらないはずで、先のコメントで出した商法の契約成立条件を
明示・黙示に満たしていれば無効の申請は非常に難しいと思います。
 不動産の商習慣の中で、それが別の問題(モラルとか不動産
関係の諸法令とか)になるかもしれませんが、契約無効とは言えないと
思います。

とは言え、始めの群馬県民さんのコメントにあった、”相手に対する有効なカード”
として検討の余地はあるというお考えには異議無しです。

No.12 by 群馬県民 さん 2005年04月27日

とおりすがりの家主 (11599)>根拠とされている民法541条には「相当の期間を定めて催告しもしその期間内に履行なきときは契約の解除をなすことを得」となっております。
すなわち催告が必要条件となっています。催告しないまま解除はできません。

とおりすがりの家主(11599)>「付随的義務のの不履行については、これを理由とした解除はできない(最高裁判例)」

御存じのことと思いますが、債務不履行には履行遅滞、履行不能、不完全履行があり、それぞれ一定の条件の下に契約の解除ができます。この中で不完全履行がある場合には、追完が可能なケースでは相当な期間を定めて完全履行を請求し、その期間内に追完がなされない時には解除ができます。そして追完が不能な場合には催告を行わずとも直ちに解除できます。例えば業法35条で定められた要件の内、免許提示のみがなかった場合は、不完全履行に該当するでしょう。この場合には、とおりすがりの家主さんのおっしゃるとおり、借り主は相当な期間を定めて追完の請求をする必要があり、それをせずに契約解除を主張しても通らないと思います。
それでは、以前の何人かの相談者がおっしゃっていたことですが、主任者以外の無資格者(営業マンなど)が重要事項説明をした場合、というのはどうでしょうか?
業法35条と照合すれば、まず「取引主任者」の部分が「営業マン」だった訳ですから、これも不完全不履行ととれます。しかしこの際に追完を請求しても営業マンは無資格者なので、当然免許を提示できるわけはないですね。つまり追完不能です。その結果、契約解除が可能との理屈も可能と考えております。

とおりすがりの家主 (11162)>「免許提示」がないだけでは、こうもっていくのもチト苦しいと思いますが。

念のための確認ですが、私は宅建業法35条が賃貸借契約の成立を言及しているとは元々考えておりません。「免許提示がない」=「契約解除」といいたいのではなくて、「取引主任者」「必ず免許提示」「契約成立前に」「重要事項説明をする」「図面を交付」etc全てを満たさなかった場合に、契約解除という効果を発生し得ると考えておりまして、その一つの根拠を【11597】で述べました。

とおりすがりの家主(11599)>媒介契約はおっしゃるとおり準委任契約とされています。即ち委任範囲は事務のみであり、法律行為(ここでは賃貸借契約)の委任は受けていません。

法律行為を他人に委託することを委任といい、法律行為以外の事務の委託をすることを準委任といいますよね。前回申し上げました通り、不動産契約の仲介などは準委任と解されていますが、準委任には委任の規定が準用されるので、民法上は両者に大差は無いとされています。ならば、不動産屋は法律行為(賃貸借契約)の委任を受けているとの見方が可能と私は考えております。

今回外資社員さんの興味深いコメントが加わり、とおりすがりの家主さん、大阪のある不動産屋さんの、いつもの明快で説得力のあるご意見とともに、大変意義のある議論だと思います。このようなきっかけを作っていただいた裏惨さんにも感謝したいと思います。

No.13 by 外資社員 さん 2005年04月27日

群馬県民さま

興味ある話題について有難うございます、非常に勉強になります。
脇から不動産の門外漢が言うのも恐縮ですが、コメントさせて頂きます。

>「取引主任者」「必ず免許提示」「契約成立前に」「重要事項説明をする」
>「図面を交付」etc全てを満たさなかった場合に、契約解除という効果を
>発生し得る。
これは条件が逆で、上記の条件を満たした場合には、契約は成立している
というなら、まったくその通りと思います。

不動産の取引というのは、法人の商取引のように同等な知識・経験をもった
同士ではなく、片方は専門家 片方は素人が始めての経験という状況です。
この為、上記のような条件を全て満たせば、不動産の玄人側は\"十分条件”を
満たしていると考えるのではありませんか?
この中の一つでも満たさなかったら、契約は成立しない訳ではなく、
成立できない場合があるとのことを仰っているのですよね?
 それならば、前のコメントのご説明は”成立の十分条件”を提示しているので
あって、\"非成立の条件”を言っているのではないですよね。

くどい文面の割りに、中身が少なくて恐縮です。
(本当は表題で言いたいことは十分なのですが、判らないと申し訳ないと
説明を書いていたら長くなってしまいました。)

No.14 by 大阪のある不動産屋 さん 2005年04月27日

群馬県民さんのいう債務や準委任契約の話は、借主と仲介業者との
話ではないでしょうか?

重要事項説明を受けずに、貸主に契約の意思を発信して、後日借主が
説明を受けていないことを理由に「取り消し」を要求した時、貸主は
その要求に対して対抗できないというのは、群馬県民さんの意見から
はいまいち理解できません。
つまり、仲介業者から発信された「契約の意思表示はなんだった」と
いうことになります。あくまでも、借主と仲介業者との不履行の話は
貸主と借主とは関係ないと思います。

事実上は取り消しはできます。借主と貸主は手付け放棄による契約解
除を行い、借主は仲介会社に債務不履行による損害賠償(手付金)を
請求するという形になるとしか考えられないのですが、どうでしょう
か?法的に言えば、「解除」はできるけど「取り消し」はできないと
いうことです。


>ならば、不動産屋は法律行為(賃貸借契約)の委任を受けているとの見
>方が可能と私は考えております。
これは明らかに誤りです。
民法上の規定を受けるというのは、準委任契約であっても、委任契約と
同様に善管注意義務や解除権などの民法上の規定が適用されるという意
味です。法律行為の事務を委託する委任契約と法律行為でない事務を委
託する準委任契約を同じに扱うという考え方は筆が滑ったとしか思えま
せん。

No.15 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月27日

ご意見ありがとうございます。
[11689]に対する私の意見は、大阪のある不動産屋さんとほぼ同じです。


群馬県民>念のための確認ですが、私は宅建業法35条が賃貸借契約の成立を言及しているとは元々考えておりません。「免許提示がない」=「契約解除」といいたいのではなくて、「取引主任者」「必ず免許提示」「契約成立前に」「重要事項説明をする」「図面を交付」etc全てを満たさなかった場合に、契約解除という効果を発生し得ると考えておりまして

この部分は私はそう捉えていませんでした(^^ゞ すいません。
「免許提示のない場合」→「契約の無効」もしくは「契約不成立」を主張されてるのだと思ってました(11579)。
債務不履行の程度により「契約解除」が可能である、という今回の群馬県民さんの書き込みはよく理解できます。
私も[11599]で述べましたとおり、「解除」というのは一旦成立した契約に対して使う言葉ですので、「重説がなくてもor不完全な重説でも契約は成立する(後から解除しうるか否かは別にして)」ことにはご賛同いただけたものと理解しますがよろしいでしょうか?

これで議論のポイントの一つは「どの程度の媒介契約上の債務不履行があれば、賃貸借契約は解除しうるか」という論点に絞り込まれたと思います。

なお、私は35条で一番大事な部分は「契約前の重説」であって「取引主任者」「主任者証提示」は付随的義務と捉えていますので、これを理由に損害賠償は請求しえても、媒介契約の解除はボーダーライン、賃貸借契約の解除はできないと思っています。当然群馬県民

群馬県民>しかしこの際に追完を請求しても営業マンは無資格者なので、当然免許を提示できるわけはないですね。

いや、改めて有資格者が主任者証を提示して重説をすることにより、十分に追完可能ではないでしょうか。

媒介契約と賃貸借契約、それに関わる委任・準委任の議論は、読みにくくなるので別に書き込みします。

No.16 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月27日

群馬県民> 法律行為を他人に委託することを委任といい、法律行為以外の事務の委託をすることを準委任といいますよね。前回申し上げました通り、不動産契約の仲介などは準委任と解されていますが、準委任には委任の規定が準用されるので、民法上は両者に大差は無いとされています。ならば、不動産屋は法律行為(賃貸借契約)の委任を受けているとの見方が可能と私は考えております。

これについても、私の意見は大阪のある不動産屋さんと同じです。
準用される規定は受任者の委任者に対する権利義務の部分ですよね。
委託範囲まで準用してしまうと、民法656条の存在意義も、宅建業法で「媒介」と「代理」を区別している意味もなくなってしまいます。

検索してたらこういう過去問を見つけました。
http://tokagekyo.7777.net/brush_echo/inin-43.html
賃貸の場合、現実的には業者が代金を受け取るケースが多いですよね。
そうすると一見、「業者が法律行為の委任を受けている」という群馬県民さんのいう解釈もできるように見えます。
すなわち、
1.借主が代金の支払を業者に委任した(背景=借主と業者の媒介契約)
2.貸主が代金の受領を業者に委任した(背景=貸主と業者の媒介契約)
3.業者は代金を単純に「預かった」だけ。あくまでも準委任しか受けていない。
の3つのケースが考えられます。
貸主としては当然、領収書は借主さんあてに書きます。業者さんも領収書ではなく、「預かり証」にしてると思います。上記3.との立場です。
法律行為の受任者が代理で受け取る場合には、領収書に「何某 代理人 何某」と表記するはずです。いくら省略しても「貸主代理」の肩書きぐらいはいれるでしょう。
でも、当事者のだれかがめんどくさがって、振込の銀行控えのみだと1.や2.と解釈できてしまいますね。
またそうでなくても、誤解されやすいとは思います。

No.17 by とおりすがりの家主 さん 2005年04月28日

すいません<m(__)m>

とおりすがりの家主> なお、私は35条で(中略)当然群馬県民


なお、私は35条で(中略)当然群馬県民さんは別のご意見だと思います。

No.18 by 外資社員 さん 2005年04月28日

通りすがりの家主さん、大阪のある不動産屋さん、群馬県民さん
興味あり話題のご提供を有難うございます。
いつも勉強させて貰っています。

不動産屋さんの委任範囲は気になっていたのですが、
媒介契約のみですと、お金の受領権限も無いし、契約の権限も
無いのですね。
 手元の契約を見てみると契約書には支払い先として不動産屋を
指定しているので、これがあるから法的には問題無いと判りました。
 先月 不動産を売ったのですが、確かに買主と売主間での金銭の授受で
不動産屋は立会いとセットアップのみ、手数料以外には直接手を
つけませんでした。 思い起こしてみると注意深いやり方と
関心しています。

話題は変わりますが、ここでコメントの多い”審査”も同様に不動産屋が
関わられる範囲について配慮が必要と思います。 個人情報保護法施行後の
4月1日以降審査のある契約をしていませんが、審査情報は審査する担当以外は
見られないしそれ以外の人間に見せる場合には被審査者の許諾が必要です。
 となると、不動産屋さんは自分が審査する場合以外には内容はは見られないし、
貸主には結果は言えても審査資料の内容には許可なく言及できないはずです。
第3者期間が審査するなら、余計に内容を見ることが出来ないと思います。
今度 審査のある契約がある時に、担当の不動産屋が、どの程度 注意深いか
興味がある点です。

No.19 by 群馬県民 さん 2005年04月29日

通りすがりの家主さん、大阪のある不動産屋さん、外資社員さん、今回もご意見、ご教示頂きましてありがとう御座いました。

大阪のある不動産屋>民法上の規定を受けるというのは、準委任契約であっても、委任契約と同様に善管注意義務や解除権などの民法上の規定が適用されるという意
味です。
とおりすがりの家主>委託範囲まで準用してしまうと、民法656条の存在意義も、宅建業法で「媒介」と「代理」を区別している意味もなくなってしまいます。

なるほど、準委任契約を根拠に不動産屋が賃貸借契約の委任まで受けている、という解釈は成り立たないということですね。認識を改めたいと思います。ご教授ありがとうございました。つまり準委任契約であるから、不動産屋が業法違反した場合に借り主と不動産屋との媒介契約は取り消しとなっても、借り主、貸し主との賃貸借契約は直接影響を受けないというお考えですね。

大阪のある不動産屋>あくまでも、借主と仲介業者との不履行の話は貸主と借主とは関係ないと思います。
外資社員>この中の一つでも満たさなかったら、契約は成立しない訳ではなく、成立できない場合があるとのことを仰っているのですよね?

借り主側としては、不動産屋が法に定められた手続きを踏んでいないことを理由に媒介契約の解除の主張が可能と考えます。すると賃貸借契約の方はどうなるのか(影響を受けないのか?)というのが論点の一つですが、通りすがりの家主さんや大阪のある不動産屋さんのお考えは、賃貸借契約は依然として有効とのお考えだと思います。しかし、そもそもは媒介契約があったから、その後に賃貸借契約も成立した。言い換えれば借り主と不動産業者との媒介契約なければ、借り主と貸し主との賃貸借契約が成立することはあり得なかった訳ですから、媒介契約が取り消しとなった場合には同時に賃貸借契約の取り消しの主張も可能と考えるのですが、いかがでしょうか(民法121条:取り消しの効果は遡及的無効)。民法545条にある原状回復義務の観点からも、媒介契約前と同じ状態に戻さなくてはいけない、つまり金銭の授受や賃貸借契約など全てが白紙に戻されることになると考えます(もっともこの考えが成り立つという根拠も、成り立たないという根拠も今の所私はもっておりません)。この際の貸し主の位置付けですが、貸し主を善意の第三者とみれる場合においては取り消しの効果は対抗できないため媒介契約(借り主、不動産屋間)が取り消された後も、賃貸借契約(借り主、貸し主間)は有効となるでしょう。

とおりすがりの家主>これで議論のポイントの一つは「どの程度の媒介契約上の債務不履行があれば、賃貸借契約は解除しうるか」という論点に絞り込まれたと思います。

債務不履行の程度については履行遅滞、不完全履行、履行不能の3つの尺度のみと考えております。一方で業法違反の結果適用される罰則の内容とか、債務不履行の結果の民法上の損害賠償額といった問題については「どの程度の」という観点で考えられることかと思います

大阪のある不動産屋>事実上は取り消しはできます。借主と貸主は手付け放棄による契約解除を行い、借主は仲介会社に債務不履行による損害賠償(手付金)を請求するという形になるとしか考えられないのですが、どうでしょうか?法的に言えば、「解除」はできるけど「取り消し」はできないということです

まさに釈迦に説法で恐縮ですが、手付け流しは相手の「債務不履行がなくとも」一定額の損失だけ覚悟すれば契約解除が可能、という内容ですよね。しかし債務不履行が有る場合の契約解除は、過去に遡って契約が始めから無かったことにすることです(つまり契約前と同じ状態に戻す)。ですので同じ「契約解除」という言葉でも債務不履行があった場合と、ない場合において発生する効果は異なると思うのですがいかがでしょうか?つまり、「債務不履行があった場合」の契約解除は、取り消しとほぼ同義ではないか、ということです。

とおりすがりの家主>「重説がなくてもor不完全な重説でも契約は成立する(後から解除しうるか否かは別にして)」ことにはご賛同いただけたものと理解しますがよろしいでしょうか?

おそらく私がこの前のレス(11597)で、「重要事項説明をせずに賃貸借契約を成立させた場合は」云々と表現したことと、関係があるご質問かと思います。
まあ「借ります」「貸します」のやりとりがあった以上は、原則賃貸借契約は成立でしょうね。しかしこれは借り主、貸し主の2者しかいない場合には単純明快なのですが、宅建業者が仲介に入っている場合において、業法違反があった際の法的効果として賃貸借契約にも影響が及ぶのではないかと考えております(根拠については上記の通り)。

とおりすがりの家主>いや、改めて有資格者が主任者証を提示して重説をすることにより、十分に追完可能ではないでしょうか。

有資格者が借り主から問題点を指摘されて後から登場する、はありだと思いますが、無資格者との間で締結した契約は結局追完不能ですから、それはそれで無効ですね。

No.20 by 大阪のある不動産屋 さん 2005年04月29日

>まさに釈迦に説法で恐縮ですが、手付け流しは相手の「債務不履行
>がなくとも」一定額の損失だけ覚悟すれば契約解除が可能、という
>内容ですよね。しかし債務不履行が有る場合の契約解除は、過去に
>遡って契約が始めから無かったことにすることです(つまり契約前と
>同じ状態に戻す)。ですので同じ「契約解除」という言葉でも債務不
>履行があった場合と、ない場合において発生する効果は異なると思
>うのですがいかがでしょうか?つまり、「債務不履行があった場合」
>の契約解除は、取り消しとほぼ同義ではないか、ということです。

債務不履行による契約の取り消しの場合、確かにお互いに原状回復義
務があり、確かに契約は遡及的に消滅するが、第三者の権利を害する
ことはできないとされています。この場合、第三者とは貸主のこと指
すと考えられるということです。
あくまでも、群馬県民さんがいう「債務不履行」は借主と仲介会社の
間での話です。貸主には債務不履行はありませんので、貸主との契約
において「取り消し」はできないという考えです。

No.21 by とおりすがりの家主 さん 2005年05月02日

群馬県民> この際の貸し主の位置付けですが、貸し主を善意の第三者とみれる場合においては取り消しの効果は対抗できないため媒介契約(借り主、不動産屋間)が取り消された後も、賃貸借契約(借り主、貸し主間)は有効となるでしょう

群馬県民さん自身に先に書かれちゃいましたね。
貸主には、借主側業者の契約履行状態を知るすべはありません。
通謀して虚偽表示でもしていない限りは、悪意である場合というのは思い当たりません。
そうでなければ貸主側業者が「媒介」でなく「代理」で、かつ両手(借主側も同一業者)であれば悪意かそれに近い認定もされうる可能性もあるでしょうが、現実にはかなりレアなケースだと思います。特に「代理」であるケースが非常に少ないですから。
以前のどこかに書いた覚えがありますが、貸主は重要事項説明書の写しももらえないケースがほとんどです。宅建業法の義務は借主(買主)側に対するものだけですからね。



群馬県民> 有資格者が借り主から問題点を指摘されて後から登場する、はありだと思いますが、無資格者との間で締結した契約は結局追完不能ですから、それはそれで無効ですね。

確かに賃貸契約を交わしてしまった後で重説やりなおされても、媒介契約上の債務は追完不能ですね。
しかしこの「契約」は媒介契約ですから、賃貸契約の方は善意の第三者である貸主は保護されます。
借主は貸主への債務を履行した上で、業者にその分を損害賠償請求することになるでしょう。
そしてその程度は、

群馬県民> 業法違反の結果適用される罰則の内容とか、債務不履行の結果の民法上の損害賠償額といった問題については「どの程度の」という観点で考えられることかと思います

このご指摘のとおりと思います。

No.22 by 群馬県民 さん 2005年05月06日

お返事、遅くなりましてすみません。忙しくしておりまして、久しぶりにこのサイトに来れました。

貸し主は不動産屋と予め契約関係にある訳ですから、不動産屋が法に沿った手続きをしないで生じたトラブルについて、それでも貸し主が善意の第三者とみなされるのかどうかについて、私としては疑問が残ります。

「媒介契約がなければ成立することがなかった賃貸借契約」の両者の関係(独立しているのか?、相互に影響を及ぼさないのか?等)を、今後も吟味していきたい所存です。

No.23 by とおりすがりの家主 さん 2005年05月09日

レスありがとうございます。

群馬県民> 貸し主は不動産屋と予め契約関係にある訳ですから、不動産屋が法に沿った手続きをしないで生じたトラブルについて、それでも貸し主が善意の第三者とみなされるのかどうかについて、私としては疑問が残ります。

貸主視点で見ると、借主もまた予め契約関係にあることにはかわりありませんよ。
善意か悪意か、といわれると善意ですね、どう考えても。借主側業者が借主に対してどういう履行をしてるかなんて知りようがない……。

どうも群馬県民さんは「両手」の場合のみを想定されているように思います。
たとえ両手であっても、貸主は善意であることに変わりはないと思います。こんな営業をしました、こんな説明をしましたなんて報告、管理会社=仲介業者の場合でも受けたことないですもの。
頼んでも報告はしてくれないですよ。

群馬県民> 「媒介契約がなければ成立することがなかった賃貸借契約」の両者の関係(独立しているのか?、相互に影響を及ぼさないのか?等)を、今後も吟味していきたい所存です。

そうですね。「媒介契約がなければ成立しなかった」点において、「第3者」か、という点に引っかかりを覚えるのだと思います。
この点についての引っかかりは私もあります。
重説と賃貸契約は退去時にもかかわりを持ってきますから。

借主側業者が不適切な重説をしたことにより、借主が特約をきちんと認識していると認識して契約した貸主は、退去時に特約を借主に否認された場合、貸主あるいは借主は、借主側業者に損害賠償請求できるのか?
単純に考えれば、今まで書き込みしたように、借主側業者の債務不履行は借主に対するものであり、貸主は善意の第三者と解されます。したがって借主は貸主に債務を履行したあと、業者に対して損害賠償請求ができるという流れです。
ところが、そのような議論を見たことがないんですよね。判決文もいろいろ読みましたが、このような視点での文章をみたことがありません。
敷金紛争で貸主側の抗弁としてあってもよさそうなものですが……。
また、貸主相手ではなく、業者相手に訴える借主がいてもよさそうなものですが、それもみたことがない。

あ、重説ではなく「不法な契約書を作成した」ことについては去年京都であったが棄却されてたな……。(「不法」というのは自然損耗文までを借主負担にした特約をさす)
理由は「本件建物明渡し時において,本件原状回復特約が無効であることが明らかであったとは認められないから」「本件賃貸借契約締結時又は本件更新合意時において,本件原状回復特約が無効であることが明らかであったとは認められないから」
http://o-yasan.jp/yomoyama/hanrei/H16-3-16.html
これを読んだときに、「よーするに有効無効は裁判するまで決まらんのだな」と思った覚えがある。それまでは「とりあえず有効」らしい(爆)。

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